お口は栄養を取り込むための身体の入り口です。
当院では、健康増進を図るために、管理栄養士による栄養指導を行っています。
むし歯や歯周病になって歯を失うと、「噛む機能が低下する→噛める食品の種類が少なくなる→栄養バランスが悪くなる」というように、噛む機能の低下から栄養バランスの悪さへとつながっていきます。噛む機能とバランスよく栄養をとることとは密接に関係しているのです。
だからこそ、きらりえがお歯科では、噛む機能を支える歯とお口を診る歯科医院が『食育・栄養指導』に関わっていくべきだと考えています。
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① 妊産婦さんへの栄養指導・食事指導・
哺乳指導
妊産婦さんの健康と赤ちゃんの健やかな発育のためには、食生活が重要です。
「主食・主菜・副菜・牛乳・乳製品・果物」を基本にバランスのよい食事が理想であり、「主食」を中心にエネルギーをしっかりと摂り、「主菜」でタンパク質、「副菜」で不足しがちなビタミン・ミネラルを摂ります。妊婦さんはカルシウムや葉酸も意識して摂ることが必要です。
1日に「何を」「どれだけ」食べればよいかは食事バランスガイドを用いて説明します。
妊産婦さんの食事のポイントや注意点の指導や、赤ちゃんの哺乳指導も行っています。
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② お子さんの離乳食教室・幼児食教室・
食育・間食指導
お子さんは発育・発達過程にあります。「食べる力」を育むには、発育・発達に合わせた食のサポートが必要です。
お子さんの離乳食・幼児食に関するお話や相談ができる教室の開催、食に関する「知識」と「選ぶ力」を育む食育、おやつの食べ方・選び方を指導する間食指導などを行っています。
食事が始まると、口に入る食品に応じて「噛む」「飲み込む」力も必要になります。しっかりと歯と口を使って食べられる食事と食べ方の指導とともに、むし歯予防教室などでお口のケアの指導も行っています。
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③ 成人の方への食生活指導
健康な方(未病の方)には、体を構成している成分を測定できるInBodyを使用した栄養指導を行っています。InBodyの測定結果と生活習慣や食生活のアンケートをもとに行う指導です。
お口のトラブルが出やすい50代以降の方には、栄養指導と並行して、栄養摂取に不可欠なお口の機能チェックを行い、機能が低下している場合は回復をめざして治療します。
高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病の方は、それぞれの病気や身体の状態、お口の状況に合わせた栄養指導を行います。
一般的な食事・栄養に関する全体への指導と、個別に食生活を聞き取ってお一人お一人に合った個別の栄養指導があります。
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④ 訪問歯科診療における栄養指導
訪問歯科診療の対象となるのはご自宅や施設で療養されているシニアの方がほとんどです。シニアの方や病気で療養されている方の食事で問題となりやすいのが、低栄養や飲み込む機能の低下による誤嚥の危険性です。
栄養指導として、低栄養の改善につながる食材の選び方や食事の工夫などの指導、配食サービスの利用や栄養補助食品のご提案、お口の機能に合う食形態の評価などを行っています。
患者さんの療養生活を支えている家族や施設スタッフの方からもお話をうかがい、適切な栄養摂取とお口の機能に合った食事を考えるようにしています。お口の機能や状態に合った栄養摂取は、誤嚥予防にもつながります。
出典:食事バランスガイド拡大図:農林水産省
健康状態の評価は、体重やBMI(肥満度を表す指標)のみで行うのは限界があります。当院では、人の体を構成している水分、タンパク質、脂肪、ミネラルを定量的に分析し、適切であるかどうかを示すInBody(体成分測定)を導入しています。
InBodyは機器の上に立ち、手電極を握るだけで体成分を細かく測定できる装置です。結果は項目ごとに数値データで示されるので、客観的に見てわかりやすいのが特徴です。
結果用紙には、栄養状態に問題がないか、体のむくみはないか、バランスよく体が発達しているかなどを分析できる項目が記載されています。栄養評価としては、タンパク質、ミネラル量、体脂肪量の状態がわかります。このInBodyの測定結果をもとに、健康状態をより改善するための栄養指導を実施します。
より詳しい指導をご希望の方には、毎日の生活習慣と食生活を細かく記入していただいた用紙をもとに、食事の内容や食べるタイミング、改善すべき生活習慣なども含んだ栄養指導を行っています。