歯肉からの出血はなぜ起こる?
なぜ歯肉から出血するのか?(原因)結論から言うと、歯肉からの出血の大部分は「プラーク(歯垢)」の中にいる細菌が引き起こす炎症が原因です。健康な歯肉は、薄いピンク色で引き締まっています。しかし、歯と歯肉の境目にプラークが残ったままになると、細菌が毒素を出して歯肉に攻撃を仕掛けます。これに対抗するため、体は防御反応として、その部分に血液(免疫細胞)をたくさん送り込みます。毛細血管がうっ血する: 血液が集まることで、歯肉が赤く腫れ、毛細血管がパンパンに膨らみます。わずかな刺激で出血: 腫れてもろくなった歯肉は、歯ブラシが少し当たったり、硬いものを食べたりしただけの「わずかな刺激」で破れ、出血してしまうのです。つまり、「出血する=そこに細菌がいて、体が戦っている(炎症が起きている)サイン」です。
出血したときのNG行為と正しい心構え多くの患者さんがやってしまいがちな誤った対処法があります。
❌ 「血が出るから」と、その場所を磨かないこれは一番の逆効果です。痛いから、または血が出るからと歯磨きを避けると、プラークがさらに溜まり、炎症が悪化して余計に出血しやすくなります。
⭕ 「血が出ても、優しく磨き続ける」が正解出血している場所こそ、原因であるプラークを落とす必要があります。正しい方法で磨いてプラークが減れば、通常1〜2週間ほどで炎症が治まり、出血は自然と止まります。
歯科衛生士が教えるセルフケアのポイント今日からの歯磨きを「炎症を鎮めるケア」に変えていきましょう。
ポイントは「毛先」「力加減」「プラスワン」です。
① 歯ブラシの選び方と当て方硬さ: 歯肉が腫れている間は「やわらかめ(ソフト)」を選んでください。角度: 歯と歯肉の境目に、毛先を45度の角度で当てます。動かし方: ゴシゴシ大きく動かさず、1〜2本ずつ細かく振動させるように(5mm〜1cmの幅で)動かします。
② 適切な力加減(圧)歯ブラシをギュッと握るのではなく、鉛筆を持つように持つ(ペングリップ)と、余計な力が抜けやすくなります。毛先が広がらない程度の優しい力(150〜200g:爪の付け根を押して白くなるくらいの強さ)で十分プラークは落ちます。
③ 歯間ブラシ・デンタルフロスの必須化歯ブラシの毛先だけでは、歯と歯の間のプラークを6割程度しか落とせません。出血の多くは歯と歯の間から起こります。歯が詰まっているところにはデンタルフロス(糸型)隙間があるところには歯間ブラシこれを1日1回(特にお休み前の夜)通すだけで、驚くほど出血が改善します。最初は血が出ますが、怖がらずに続けてみてください。
歯科医院でのプロケアが必要な理由セルフケアを頑張っても改善しない場合、以下のような理由が考えられます。歯石(しせき)になっている: プラークが唾液の成分で固まって「歯石」になると、もう歯ブラシでは落とせません。歯石の表面はザラザラしており、さらなる細菌の温床になります。
歯周病が進行している: 骨が溶け始める「歯周病(歯周炎)」に移行している場合、深い歯周ポケットの奥に細菌が潜んでいます。これらは、私たち歯科衛生士が専用の器具(スケーラーなど)を使って取り除く(スケーリング)必要があります。メッセージ歯肉からの出血は、体が「ここに汚れが残っているよ!」と教えてくれている大切なSOSです。決して放置せず、まずは毎日の丁寧な洗口と優しい歯磨き、そしてデンタルフロスを試してみてください。もし「2週間続けても血が止まらない」「歯肉がブヨブヨしている」「歯が浮く感じがする」といった症状があれば、早めに歯科医院を受診してくださいね。一緒にお口の健康を守っていきましょう。現在の状況に合わせてより具体的なアドバイスをいたします。
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