食欲の秋に考えたい 歯を失うことと噛む力の変化
食欲の秋は、旬のおいしいものを楽しめる季節です。 毎日の食事を楽しむためには、食べる内容だけでなく、しっかり噛めることもとても大切です。 ふだんは意識しにくいかもしれませんが、歯を失うと、食べやすさや食事の楽しみ、お口の働きに少しずつ変化が出てくることがあります。 今回は歯科医師の立場から、歯を失ったあとに起こりやすい変化についてお伝えします。
歯を失うと起こりやすい変化
歯を失うと、見た目や食べにくさだけでなく、毎日の生活の中でさまざまな変化が起こりやすくなります。
・かたいものを避けるようになる
・ やわらかいもの中心の食事になりやすい
・ たんぱく質や野菜が不足しやすい
・ 食事の量が減りやすい
・ 話しにくさや飲み込みにくさが出やすい
・残っている歯に負担がかかりやすい
最初は少し不便なだけに思えても、こうした変化が続くと、食事内容の偏りや食べる力の低下につながります。
噛みにくさをそのままにしないことが大切です。口の機能の低下は、低栄養やフレイルにつながる入り口になりうると案内されています。
お口の変化は 全身にもつながります
歯を失うことは、お口の中だけの問題ではありません。
食べにくくなることで食事の内容が偏ると、全身にも影響が及ぶことがあります。
・低栄養
・筋力や体力の低下
・疲れやすさ
・ 活動量の低下
・外出や会話の機会の減少
・ フレイルとの関連
・認知機能の低下との関連
もちろん、認知症は歯だけで決まるものではありません。ですが、しっかり噛めることは、食事を続ける力、人と話す力、毎日をいきいき過ごす力を支える土台の一つです。歯を守ることは、これからの暮らし全体を守ることにもつながります。
歯科医師としてお伝えしたいこと
食欲の秋は、噛めることのありがたさを感じやすい季節です。 おいしく食べられることの背景には、しっかり噛めるお口の働きがあります。
痛みがないから大丈夫とは限りません。
以前より食べにくいものが増えていないか、片側ばかりで噛んでいないか、食事に時間がかかっていないかを、少し振り返ってみてください。
いつまでも自分の口でしっかり噛み、食事を楽しめる毎日は、とても大きな財産です。 これからの季節の食卓も笑顔で楽しめるように、お口の健康を一緒に守っていきましょう
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