フレイルとオーラルフレイルとは
年齢とともに体やお口の変化が気になってきて、「フレイル」や「オーラルフレイル」という言葉を耳にする方も増えてきました。
「フレイル」と「オーラルフレイル」を知っておくと、自分でできる対策がとりやすくなります。
🧓 フレイルとは何か
フレイルとは、加齢などにより心と体の元気が少しずつ弱り、「健康」と「要介護」の中間の状態になることをいいます。完全な病気ではありませんが、そのままにしておくと転倒や寝たきり、認知機能の低下などにつながりやすくなります。(pref.osaka.lg.jp)
フレイルには主に三つの側面があります。
体のフレイル
筋力が落ちて歩く速度が遅くなる、疲れやすくなる、少しの段差でつまずきやすくなるなど、身体機能の低下がみられます。
心のフレイル
気分が落ち込みやすい、やる気が出ない、人と会うのがおっくうになるなど、こころの元気が弱っている状態です。
社会のフレイル
外出や人との交流が減ることで、孤立しがちになる状態です。人と話す機会が減ると、心身の衰えに拍車がかかりやすくなります。
フレイルは「手前で気づいて、早めに対策すれば戻せる可能性が高い」のが大きな特徴です。
👄 オーラルフレイルとは
オーラルフレイルは、「オーラル(口)」と「フレイル(虚弱)」を合わせた言葉で、お口のささいな衰えが積み重なった状態を指します。噛む、飲み込む、話すなどの口の働きが少しずつ低下しているサインです。
例えば、次のような変化はオーラルフレイルの代表的なサインです。
食事中にむせることが増えた
食べこぼしが増えた
かたい物が食べにくくなった
舌が回りにくく、滑舌が悪くなった
口がよく乾く、口臭が気になる
歯が少ない、入れ歯が合っていない感じがする
こうした変化は「年のせい」と見過ごされがちですが、そのままにすると、やわらかい物ばかり食べるようになり、噛む回数が減り、筋肉も衰え、全身のフレイルや要介護につながることが分かっています。
🔁 フレイルとオーラルの関係
お口の衰えは、全身の衰えと密接につながっています。
噛みにくいと、食べられる物が限られ、栄養バランスが崩れます
よく噛まないと、満腹感が得にくく、食事量も変化します
食べるのがつらくなると、食事自体が楽しめなくなり、意欲の低下や外出の減少につながります
会話がしにくくなると、人と話す機会が減り、心や社会のフレイルが進みます
研究からも、オーラルフレイルがある高齢者は、身体的フレイルや要介護、死亡のリスクが約2倍に高まることが報告されています。
つまり、「お口の状態に早く気づいて整えること」は、フレイル全体を防ぐための重要な入口になります。
🏠 今日からできる予防のポイント
オーラルフレイルとフレイルを防ぐために、患者さん自身ができることを簡単にまとめます。
お口のケア
毎日の歯みがき
歯ブラシに加えて、歯間ブラシやデンタルフロスも活用し、歯ぐきからの出血やグラつきがないか気を配ります。
歯科受診と定期健診
「痛いときだけ」ではなく、半年から一年に一度は健診を受けて、むし歯や歯周病、入れ歯の状態をチェックしてもらいましょう。
お口の筋トレ
しっかり噛んで食べる
早食いを避け、一口ごとによく噛んで食べます。急にかたい物を増やすのではなく、今の自分に合う少しかための食材から取り入れると安全です。
お口の体操
「パ・タ・カ・ラ」と大きくはっきり発音する、お口を大きく開けて閉じる、頬や舌を動かすといった体操が、お口周りの筋肉の維持に役立ちます。
生活全体のフレイル予防
バランスのよい食事と十分なタンパク質
肉、魚、卵、大豆食品などを適度にとり、筋肉やお口の筋肉の材料をしっかり補給します。
適度な運動
毎日の散歩や簡単な筋トレで、下肢の筋力低下を防ぎます。転倒予防にもなり、フレイル全体を防ぐ土台になります。
人と話す・出かける
近所の集まりやサロン、趣味の会などに参加し、会話や笑いの機会を持つことが、こころとお口の両方の健康に良い影響を与えます。
🦷 早めの相談が大切
「少し気になるけれど、病院に行くほどではない」と感じる程度の変化こそ、オーラルフレイルの段階で気づくチャンスです。気になる症状があれば、まずはかかりつけ歯科や、地域の歯科健診、口腔機能についての相談窓口に早めに相談することをおすすめします。